3.問題点の発見方法
 荒廃した学校の実態の多くは隠され、たとえ校内暴力があっても教師や学校を信頼している父兄に知らされることはほとんどない。そして実際に事件があっても子供達は親に学校のことをなかなか話さないことも事実なのである。小学校の低学年では教師は絶対的な存在であり、その言動は全て正しいと思っているからだ。そのため親が教師の悪口を言おう者なら逆に否定したりする。ましてや中・高年からは親に報告することが密告や告げ口ととられることを恐れ、なんとか自分だけで解決しようとする。その結果、学校や教師の実態について子供からの告白を待っていたのでは手遅れになってしまうのである。

【教師の問題点】
 ・自習時間の多さ
 自習時間の多い教師は必ず問題があり、要注意である。子どもは自由な時間を与えられうれしいため、自分からすすんでそれを親に言うことはない。また学校側も「教育的配慮」という身内同士のかばい合いによって本当の理由が説明されることはない。私用でたびたび自習にする教師は担任としてはふさわしくない。
 ・教科書の進度
 時間割を見て毎週これだけの授業を行っていると安心してはいけない。小学校の場合、時間割通りに授業を行っているところはほとんどない。注意しなくてはいけないのは授業の手抜きである。「ここは必要ない。」とか「次の学年で詳しく習うから。」という理由で教科書の内容を飛ばしてしまうのである。ある母親は学年初めに教科書と同じドリルを買って家で毎日やらせ、子供がここは習っていないと言えば先生の手抜きが分かると言います。
 ・テスト回数と宿題の頻度
 小テストや宿題が頻繁に出されていることはそれだけ担任が生徒の学力向上に努力していると考えてよい。特に小テストは子供の理解度を測る物差しであるからだ。ただし注意しておくことはテストの採点を教師がしているかどうかだ。子供同士で採点をさせて回答の解説もしていないようでは意味がない。通信簿を付けるためにだけテストをする教師もいるからである。
 ・補助教材の内容
 授業の教材には検定教科書のほかに副読本などの補助級材がある。これは学年で一括購入したり教師が手作りプリントで用意することもある。たとえば漢字や九九のプリントなどである。この補助教材が本当に生徒のために用意されたものかどうかを親が確認する必要がある。中には教師が個人的な思想の都合で使わせているケースがあるからである。
 ・子供の食事態度
 公立小学校では教師が生徒と一緒に食事をしてその行儀作法を注意することが重要な役割となっているが、これを全くしない教師がいる。その担任のクラスの昼食時間は立って食べている生徒や走り回っている生徒がいて、まるで動物園のようだったという。給食は子供たちに正しい食生活のマナーを教え、教師とのコミュニケーションを深めるために必要な教育の時間でもある。
 ・教師の服装と言葉使い
 以前、入学式にトレーニングウェアで参列した教師がいた。新聞でも賛否両論が問われたが、もし自分の子供の入学式ならその教師がトレーニングウェアで出かけることはないだろう。すでに入学式や卒業式に対するマンネリズムがあるとしか考えられないのである。また教師が生徒を呼び捨てにし乱暴な言葉使いをしている場合も要注意である。
 ・授業参観日の内容
 授業参観日は教師の実際の指導力を確認できるまたとない機会である。黒板に書く教師の字が子供にとって読みやすいかどうか。教師の声や説明が聞き取りやすいかどうかをチェックしなくてはならない。中には授業参観の授業を何度も生徒にリハーサルさせて実態をカムフラージュしている教師もいるため帰ってから子供に聞くとよい
 ・指導方針の内容
 教師によっては授業や宿題の出し方が頻繁に変わることがある。この場合、その教師に教育方法に対する自信がないか、気分で変更しているかのどちらかだと言えるだろう。教師の指導方針が何度も変わるようであれば注意が必要である・
 ・学校へ足を運ぶ
 参観日や面接日に限らず出来るだけ学校へ行って子供の授業をのぞき見学する。自分の子供の学校であり、自分たちの税金でまかなっている地域の学校なのであるから遠慮する必要はなく、学校側も親の訪問を断る理由はない。買い物のついでに、傘を届けたついでに寄ろう。また授業の合間に担任に会い子供の学習態度や友達の関係などについても尋ね、教師は子供の状況をどれだけ観察しているかを確認しておくのである。また会って話を聞くのを拒むような教師は基本的に問題があるとみて良いだろう。
 ・自分の子供に聞く
 学校の状況を知るのに効果的な方法は自分の子供に聞くことなのである。間違っても子供の言うことだからとか、「先生の悪口を言ってはダメよ。」というように子供の訴えを押さえつけないようにしよう。たとえ子供の言い分が感情的であろうとも、毎日、教師とつきあっている子供の情報に耳をかたむけることが大切である。

【学校の問題点】
 ・電話をかける
 学校の善し悪しを判断する方法の1つが電話をかけてみることである。電話に出た事務員や教師の応対でほぼその学校の質を知ることができる。「あんた誰?」というような受け答えしかできないところは根本的に教育指導ができていない学校である。
 ・商店街の評判を聞く
 学校を訪れる前に近所の商店街を歩いて店の人の話を聞いてみよう。また喫茶店やお好み焼きや、ゲームセンターなども調べておこう。こういった場所が非行生徒の溜まり場となっていることが多いからだ。
 ・登校風景を見る
 問題のある学校を発見する効果的な方法は、朝の登校時に教師や生徒の登校する様子を観察することである。生徒の服装が乱れていても教師が注意しなかったり、教師へのあいさつが「オッス、ヨウ!」というようなものであれば問題があると考えて良いだろう。
 ・朝礼を見る
 朝礼での生徒の整列の仕方や教師の態度を観察しよう。後ろで生徒が騒いでいても注意もしない学校がある。教師が生徒を放任していないか、校長と教師が対立していないかなどを知ることができるのである。
 ・学校のトイレを見る
 校内へ入る前に学校を1周してみよう。へいに落書きはないか、窓ガラスは割れていないか、たばこの吸い殻が落ちていないか、トイレが良く掃除されているかどうかを確認しておこう。屋上や階段の踊り場、プールの裏地なども要チェックの場所である。
 ・学校行事の内容を確認する
 入学式、卒業式の内容を確認しよう。校長と教師の対立や生徒のしらけた態度が目立つようであれば問題がある。また運動会や父親参観日が日曜日に行われるかどうかも保護者の立場を考慮しているかどうかの重要なポイントである。